ダウ平均の暴落を願うドル売り日記

暴落を願うトレーダーの日常と相場の話。

【読書】『MMT 現代貨幣理論入門』を読んでみた(*‘ω‘ *)【感想文】

1ヶ月ぐらい前に読み終わっていたのだが、『MMT 現代貨幣理論入門』という本を読み終わった。

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本そのものは、今と比べたら若干鬱気味の時期に読んだこともあり、面白いと感じることとか、集中力とか、欠けているものが結構あったので、面白いかは、分からない。

 

それと、少し難しい本だった。だから、理解が間違っている点もあるかも知れない。しかし、私の直感は常に鋭い。トレードしていると、それが分かる。

 

ただ、この本をきっかけに、『中央銀行が株を買っている限り、株式市場が暴落することはない』と確信を持てるようになった。

この本の文によれば、『通貨を発行している政府は、その通貨で売値が示されているものは、何でも買える』ということだった。これは、ご想像の通り、通貨を発行して買ってしまうということだ。この本には、度々キーストロークと言う言葉が出てくる。キーボードを叩くだけで政府は欲しいものなら何でも買えるという意味だ。

つまり、国債を刷ったらそれを直接中央銀行が買い取って市場に資金を供給していいし、その量に限りはないと、この本にはあった印象だ。

それでも、通貨を発行しすぎると、経済が過熱しすぎる可能性というのもこの本にはあった。

本の主義としては、新ケインズ主義ではなく、ケインズ自身が唱えたケインズの理論に戻った印象がある。

私自身は、2012年にアベノミクスが始まる時期、金融緩和には反対していた。今も、買っている株が暴落しないなら、金融緩和に賛成しようという意思しかない。その意味で、根底では金融緩和に反対だ。経済は自然に任せるべきという気持ちがある。僅かな介入すら、生理的には、受け付けない。

しかし、このMMTの本を読んでいたら、ケインズも少しはまともなことを言っていたのだなと理解する気持ちにもなれた。

 

ところで、中央銀行国債を買って程よく増税していれば、国債は暴落しないというのが、この本の理論だ。

通貨の発行が先にあるのか、それとも、税収が先にあるのか、という議論が出てくる。

MMTによれば、通貨の発行が先の様だ。通貨を発行してそれを国民に配り、そこから国民が税金と言う形で一部を政府に戻す。

そして、税金は、通貨の信任や景気の過熱のし過ぎを防ぐ目的を果たしているにすぎず、財源・税収と言う目的の為に徴収されているものではないと言っている。

ある意味、日本の現状を見れば、賛成できるのではないだろうか。

日本はかなりの財政赤字だし、金融緩和も世界で先立って数十年前から行っている。それで、消費増税を少しずつ上げているが、お陰で経済の過熱のし過ぎもなく、安定的な国家運営が出来ている。

そして、私個人としても、所得増税には反対だが、消費増税には賛成の立場である。

やはり、通貨の信任を得る為の最低限の増税は行うべきであると思う。

この本では、悪に課税しろという理論が出てくるが、私個人としては、それは好きではない。誰が悪とか善とか決めるのか。やはり、その決定には独善的な割合や、民主国家特有のマジョリティによるマイノリティの悪判定などの問題が出てくると思う。少しの逆累進性はあるが、善悪の面では、極めて中立的な消費税には、凄く安心感がある。

 

私は、消費増税にも反対している人が多いことは知っている。

しかし、今の実感なき景気回復の方が、バブルよりいいのではないかと思う。

たまにTVでバブル当時の映像が流れるが、正直、醜悪だとしか感じない。あのようなバカ騒ぎするぐらいなら、少し人心が荒みやすい不景気気味の株価上昇の世界がいいだろう。

人心が荒んでいる人と関わりたくないなら、前向きの人がいるところに引っ越せばいいだけの話なのだ。そして、荒んでいる人同士では、自分たちがそうだとは、気づかない。

バブルにならない為の、金融引き締めの為の消費増税。そう思うと、アベノミクスの金融緩和や財政出動も含めて、全てを支持する気持ちにはなってくる。

 

それでも、MMTには怖さも感じた。

通貨の裏打ちをゴールドやドルではなくて、その国の徴税能力と見なすという点である。

これは、裏を返せば、通貨の信任が揺らぐときが来たら、かなりの大増税を覚悟しなくてはいけないということだ。そうなると、恐らく、ほとんどの人は仕事を選べなくなるだろう。稼がないと食べていけないからだ。日本は、再び発展途上国の様な労働環境になる。実は、その劣悪な環境下の方が、投資も集まるし、GDPも成長するのだが。

 

経済成長が欲しいと言うが、労働条件は今より50年前の方が悪かった。

その労働条件や、中国の工場の様な状況に甘んじても、経済成長したいと人は思うだろうか。

多くの人が経済成長を望む時、今よりよい環境で、と思うはずだ。

GDPそのものなら、最低賃金を撤廃すれば上がる。しかし、その世界で、都内での最低賃金が800円以下になり、当然GDP上昇途中なのだから、物価も上がり、働く時間も一日8時間では足りなくなり…想像すれば、いくらでも悲惨な状況は考えられるが、それを望む人はいるだろうか。

経済成長は必ずしも必要な物ではないと思う。

 

私は、小泉政権下の好景気の時期に大学時代を経験しているのだが、今の時代、菅総理の時代の大学生を見て、今の大学生の方が豊かだと感じる。経済成長は小泉政権時亜大に比べて緩やかだと思われているが、この方が、上記で想像した悲惨なGDP上昇よりも、ずっといいだろうと思う。

 

MMTを信じて金融緩和をするのは危険だろう。実際、将来的には増税が待っていることは、確実だからだ。

しかし、MMTケインズ主義を否定して、自由主義の世界を生きるのも、おかしいと思う。

もちろん、現実の世界はMMTの成果が平等に分配されるような規制状況になっていない。規制緩和をすれば、余計にその公平性は担保されなくなるだろうと思う。

 

よく考えると、ほとんどの人にとって、経済政策がどう転換されようと、自らの階級が変わらなければ、生活は変わらないのだ。そして、階級は相対的に決まるので、生活が良くなる為には、上位1%に入る競争に勝たなければいけない現実も変わらない。

この本は、そのシビアさを分からない人間には、福音に聞こえるかも知れない。

 

ただ、今の私にとっては、株価が暴落しないのなら、金融緩和を続けて、中央銀行は株を買って下さいとしか思えない。そして、それが可能だとこの本にはあり、それは、トレードでの買い安心感に繋がった。

この通り、MMTを実行した場合は、株を持っている人間にしか恩恵がないのは、今と同じだろうと思う。