ダウ平均の暴落を願うドル売り日記(*‘ω‘ *)

基本は億にも達していないトレーダーの日常。トレードも読書も英語の勉強も、趣味もお洒落もダイエットも、全て無理なく楽しく続けることをモットーにしています。小さな努力も続ければかなり大きな成果に。基本成果を早く出そうとするから皆苦しいのだと思っています。

『わたしたちを救う経済学』を読んで(*‘ω‘ *)

2月中旬から3月上旬にかけて、『私たちを救う経済学』という本を読んでいた。

この本は、ギリシャ財務大臣だったバルファキス氏という人物が著者だ。2015年ぐらいの内閣だったと思うが、急進左派内閣で、かなりの存在感があった。

当時ユーロ危機を追いながら、あの内閣が好きだったのが、懐かしい。

 

以下の本だ。

 

 この本には、大体のユーロ危機の原因が、そのユーロの成り立ちを理由に説明されている。

とても面白い本だったと思う。悲しむべきは、この本を読んだ時期、少し疲れていたので、1週間ぐらい読書をサボった時期があったことだ。

しかし、その時期のお陰で、ダラダラ過ごすよりも、読書したりブログを書いたり、生産的に過ごして知的興味を失わない様にした方が楽しいと学べた。その気持ちを生かして、後半部分を一気に読み終わり、今日(3月10日)に至る。

 

まず、1945年に第二次大戦が終わり、世界はブレトンウッズ制に移る。

これについて、ドルと金の固定については、ケインズが懐疑的だったと言うことと、代わりに、経常黒字と経常赤字の両方に罰金を科しつつ、金融危機などの基金をプールする形で作られる、世界共通通貨みたいなものを、ケインズが考案していたという事実について書いてある本を一冊紹介しておく。

 

 この本の感想は以下の記事に書いた。

 

www.i-love-money-and-beauty.com

 なので、ここでは、『わたしたちを救う経済学』についてだけ書く。

この本は、上で少し書いた通り、ドルが出来た時からに遡って書かれている。しかし、知られている様に、ドルの金との兌換はニクソンショックによって終わりを告げる。

これの少し前から、ユーロ圏では共通通貨の話が出ていた様だ。

その理由は、ドルが主導する、ソ連に対抗する為の共通通貨貿易圏みたいなもので、ヨーロッパ連合を構想していた。

しかし、当時のフランスは、アメリカ主導のヨーロッパ連合ができることによって、国際社会でのフランスの発言権が減るのを嫌がっていた。その為、ドイツマルクを抱き込む形での、フランスの発言権をヨーロッパ全体まで拡大した、新たな欧州連合を提案した。

しかし、ドイツにしてみては、自国の貿易黒字を産む、ドイツの中央銀行とドイツマルクを失う理由はなかったので、それを断った。

その後に、ニクソンショックが起きて、少し事情が変わっていく。

 

ドルにドイツマルクが安く固定されている世界では、ドイツは、その安いドイツマルクのお陰で、アメリカに大量の輸出をしつつ、アメリカの貿易黒字をドイツに還流させることができた。

そうしていた国は、ドイツだけではなく、フランスや日本などもそうだったようだ。

戦後の金兌換制を守る為には、この為に高値を保てなくなるドルを、ドイツや日本、フランスなどの中央銀行が自国紙幣を刷って買い支える必要があった。

アメリカが世界の輸出を全て受け入れる輸入国になってくれる。その影には、実は、他国がドルを守るという義務もあったのだ。

しかし、主にドイツは、大量に刷ったドイツマルクが自国に還流してきて、そして、自国でインフレやバブルを起こすことを懸念していた。その為、ドルの買い支えはしなかった。結果ニクソンショックを招いた。

そして、アメリカ同様、ドイツに対して貿易赤字になっていくフランス。ドイツに対して黒字を得て、自国経済を発展させる為には、フランを切り下げないといけない。しかし、フラン切り下げによって、ドイツの製品を買えなくなると、国民の不満が高まる。

その中で葛藤していた様だ。

そんな中、新たなドルの代わりとしてのユーロ(ドイツマルク)をフランスが要求する。

それがユーロのスタートになった。

ドイツマルクに固定しつつ、フランスのエリートにブリュッセルという就職先を与えて、ヨーロッパでの発言権を維持することを目指すフランス。そんな中、今までのドイツ首相は、反対していたユーロにドイツが賛成してくれる時が来た。

 

その前の段階で、ドイツマルクに全通貨を固定する時期があの欧州にはあった。

しかし、ドイツマルクは、フランスフランやギリシャドラクマに比べて高い通貨である。

ドイツは他国通貨を買い支える為の介入を基本はせず、フランスがドイツに対してウエメセの発言をするたびに、嫌がらせみたいに金利を上げる。

フランスはフランをドイツマルクに固定する為に、自国の賃金を低く据え置いたのだ。

それだけではなく、通貨の信任を守る為に、緊縮財政を強いた。

2009年以降のユーロ危機で騒がれる緊縮財政。その最初の国家は、実はフランスだったという話だ。1990年代には既に、ユーロは緊縮の経済連合だったのだ。

 

この辺、日本も学ぶことがあるだろう。

円を高く保つなら、賃金を下げないと国際競争力が得られない。賃金を上げて、豊かな生活をする為には、輸入品が高くなることも我慢して、通貨を安く据え置かないといけない。

しかし、現代の日本の物価は世界的にも安すぎることは、海外に行けば分かるだろう。となると、ファンダメンタルズ的には、円は過小評価されている。長期的には、円高になってしまう。

円を安くすることを先に行い、それに伴い賃金を上げる。もしかしたら、アベノミクスは緊縮財政をしたこと(年金を切り詰めたこと)を除けば、正しかったのかも知れない。

しかし、ここ10年で豊かになったと感じた人間は如何程か。少ないのではないかと思う。

そして、円を大量に刷るということは、ドイツが危惧したように、その円が自国に還流してきて、バブルを引き起こす危険がある。

1980年代にバブルがあった。それがはじけた結果、2000年代の世代は、夢を見ることができなくなった。それだけ未来が失われたのだ。

今、アベノミクスでバブルを起こすことは、今の世代にはいいかも知れないが、今、大学生高校生中学生として生きている人間が就活市場に出る頃に、禍根を残すかもしれない。

 

話が逸れた。

 

アメリカは、ボルカーというFRB議長の時代に、自国に投資を呼び込む政策をとったとあった。

このお陰で、ドイツは、ユーロを大量に発行することに賛成することができた。実は、この期間、円も大量に発行されている。

アメリカの株式市場、サブプライムローン市場が資金を刷って、世界経済のエンジンになる。その流れを作ったのはボルカーだ。

しかし、それも、2008年には崩れる。その結果、多くの金は行き場を失った。

その影響を一番受けたのが、ギリシャなどの南欧諸国だったみたいだ。ギリシャなども、ドイツ(ECB)が発行する資金が向かった先だ。よく、ギリシャが借金で贅沢していたと言われるが、借金でいい思いができたのは、一握りであり、ほとんどの人は、その2006年の好景気の頃から、少ない年金で暮らし、少ない賃金でやりくりして、苦労して暮らしていた人がほとんどだったみたいだ。

しかし、バブルがはじけた結果、この層の負担は更に増えた。

その全ては、金融機関の為に。

もし、ギリシャが日本みたいに中央銀行財務省と独自の通貨の全てを持っていたら、破綻することもできたし、自国通貨を発行して切り下げることもできた。

しかし、それができなかった。そして、破綻したかったのだが、破綻することも許されなかったのが現実なのだ。

ギリシャは他国に国債を買ってもらって、それによって、年金を払い、賃金を維持していた。

しかし、ギリシャ国際がデフォルト寸前になると、ギリシャや欧州の銀行も破産寸前になった。

ギリシャの緊縮財政と救済は何の為になされたのか。それは、欧州の金融機関を救済する為になされたのだ。

ギリシャトロイカが金を貸すなら、緊縮を飲まなければならない。しかし、そのトロイカが貸した金で、金融機関に対する国債の支払いをする。それによって、金融機関の破綻を防ぐ。それが、ギリシャ救済と呼ばれるもののスキームだったみたいだ。

結局、自国の生活を他国に頼っていたギリシャに、僅かに払う年金や賃金すら払えなくなることは、国民の不満が高まるので、認めざるを得なかった。破綻して金融機関と共に、生活費がゼロになるか、それとも緊縮の中で貧乏になりながら、金融機関を救済するか。この二者択一を迫られて、救済策に合意したのだ。

 

上に挙げた、ケインズとスミスとマルクスの比較本はドイツの著者のものなのだが、その著者もドイツの在り方に問題提起していたが、このギリシャ財務相の本を読むと、益々ドイツの在り方には、疑問符がつかざるを得ない。

 

ところで、フランスで最初に緊縮策を飲んだのは、左派内閣だった。

そして、ギリシャで2015年に国民を救おうと右往左往しつつも、緊縮を飲まざるを得なくなったのも左派内閣だった。

 

バルファキス氏の本で指摘されていたことだが、左派に対する救済の逆張りが起きているのが、今の世界だ。

より、分かりやすく書くと、左派が救済してくれなかった。助けてくれなかった。だから、逆の極右を支持して、移民などを排斥しようとするのが、今の社会になってしまった様だ。

実は、私は共産主義者なのだが、つまり、左派なのだが、だからこそ、バイデン政権を支持したし、サンダース氏も支持した。しかし、私のように、自分が豊かになれるのが左派だからと、過去の国民を救って、今の国民の未来を守れなかった左派を支持し続けられる人は、あまりいないようだ。それがトランプ氏の台頭だったりする。

左派の使命は、全ての人を救い、全ての人を幸福にすること。豊かにすること。それを再確認せざるを得ない。

私は、右派を支持したことはないが、日本でも自民党や維新の会の様な極右政党が強くなる傾向がある。それは、結局のところは、救われなかった貧民が、逆張りで支持している現実があるのだなと、この本を読んで納得させられた。

 

ギリシャの第三党もネオナチの極右政党らしい(*‘ω‘ *)